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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」



「……今日から頑張ります」

このままじゃどこの進路先も不合格。
それどころか、このおバカを雇いたいという会社があるのだろうか。
幸先不安ではあるが勉強は好きになれない。
出来るならやりたくない。
調子が良ければ、底辺高校のようにどうにかなるんじゃないかと思ったりもする。

クイズ番組のおバカタレントを笑っていられるのも今のうち。
もうすぐ高校2年生の夏は過ぎる。
なりたいものはある。
進路用紙には、その資格を得るための専門学校が首都圏にいくつかあったので、良さげところを吟味して書いた。
大学、短大でも資格を得ることができるが学費がまるで違う。
その専門学校でさえ、底辺高校のように奇跡的に合格できるのかも危うい。
それでも机と向き合えない。

は才能もタレント性もないただのおバカだと自覚しているが、どうにも「勉強を頑張る」というのは口先だけだということを、母親の次の発言でお見通しだったと痛感する。

「そうね。勉強を頑張ってちょうだい。傑くんもの力になりたいって家庭教師を引き受けてくれたわ」

「えええっ!?」

傑くんが、私専属の家庭教師。
心臓が飛び跳ねた勢いで顔を向けると「、よろしくね」と、爽やかな甘い声で名前を呼んでくる。

「ちょっ、と、待って……!!」

そんなことしたら絶対に心臓が破裂する。
自分でも驚くほど声が出て、母親は「なにか不満でもあるの?」と首を傾げる。
母親は乙女ゴコロを分かっているはずだ。
傑くんの名前が出るたびに露骨な反応をして避けていたのだから。

(それなのに、イキナリこんな……)

傑くんと二人きり。
傑くんと密室。
傑くんとあんなことやこんなこと。
思春期の冒険心というやつで大人の世界をインターネット検索してしまい、その中でも「家庭教師モノ」のやり取りが一番リアリティーを感じ、妄想しやすかった。
なので、ここ一番で頭の中が乱れている。
傑くんにとっては妹みたいな存在だろうけど、失恋した直後でも、一瞬でピンク色に染まってしまう世界。

「絶対むり!!」
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