【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第50章 ハイキュー✿西谷夕「チェンジ♻」
赤くなった顔を覆い隠した隙間から、身に覚えのある姿がこちらを見ていた。
「…西谷…」
「あ、ホントだ。西谷~、いま俺たちだけだから入ってきても大丈夫だよ」
東峰は手招きして西谷は歩を進める。
あのとき東峰も聞いてたはずだ。
告白の現場をみて、距離を置きたい雰囲気を察してくれないのだろうか。
「旭さんまで…二人して何したんスか?」
「実は、俺のセイでさ…」
東峰は素直に西谷に姿をしたからサーブを教わったということを話す。
すると、西谷も「俺も練習で上手く打てなくて」とかなんとか言い出した。
「のサーブ、今度拾ってみてえな!元に戻ったらやろうぜ、バレーボール!!」
「男子の力に比べたら女子なんて…」
「男も女も関係ねえ!!俺はおまえのサーブがカッコイイと思ったから拾いてえの!!文句あるかァ!!」
…カッコイイ。
そんな風に西谷から言われるとは思わなくて、面を食らった顔をする。
「旭さん。あと後片付けだけっスよね?俺たちだけでやっておきますよ!」
「えっ、あー……そうだな!頼んだ。鍵はこれな」
「あざっす!旭さん、おつかれっしたー!」
西谷は親切心を装い、東峰を体育館から追いやる。
広い体育館で二人きり。
こんなに広いところなのに息が重く、呼吸しづらかった。
「モップ…片付けるんだろ?」
「…うん。いいわよ、私ひとりでやるから部外者は」
「俺も完全な部外者ってわけでもねえだろ。片す場所分かるか~?」
「っ、何年ここに居ると思ってるのよ!!」
ツンとしている態度をとっているのに、西谷は私の顔でへらっと笑って答える。
二度も告白を断った。
それなのになぜ、平気なツラを見せることができるのだろう。
…やっぱり本気じゃなかったから?
私なんて所詮、可愛げもないデカいだけの女だから。