【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第50章 ハイキュー✿西谷夕「チェンジ♻」
なんとか先輩後輩同級生を騙しきり、これ以上神経をすり減らしたくないから一緒に帰ることは断った。
間違って自分のリュックを手にとりそうになったが、西谷の赤いスポーツバッグを背負う。
「軽ッ…。このバック、なに入ってんの?!!ちょっと軽すぎない?!!」
「ああ、別に。シューズとか部活の道具、ワックスとか~」
「勉強道具はぁ!?ってゆうかプリントぐちゃぐちゃじゃない!!クリアファイルどこ!?鞄のなかくらいちゃんと整理してよねっ!!」
「んなもん中身が分りゃあどうだって良いだろ」
「どうだっても良くない。私のカバンでそーいうだらしないことやったら殺スから」
「まあまあ、喧嘩はその辺にして」
まだこの場には縁下が居てくれた。
保健室には先生が戻ってきたから下駄箱のほうに行く。
靴をいつものところに仕舞おうと思ったら…。
「間違えた…。アンタの靴箱どこよ」
「ここ。お前んとこは?」
「上段の4番目。覚えてね」
「分かっとるわい」
靴箱だけじゃない。
生活するのにあたって色々な支障が山ほどあり過ぎる。
本当にこのまま、それぞれの家に帰ってやっていけるのだろうか。
「……上手くやるよ。家族にも友達にも、バレねえように大人しくすっから…」
「家の方向…、そっちじゃない」
「あ?そっか…。お前の家どこだよ」
「バス乗ってそこから5分歩いたとこ。いま地図かく。筆記用具、このカバンにない…」
「ん。下のほうにあんだろ。ほら…」
しゃがんでノートに書き記す。
静かな間を作っていると縁下が静かに手をあげた。
「じゃあ…、俺帰るな?なんかあったら連絡して?」
「おう。力、サンキューな。マジ助かった」
「うん。縁下くん、ありがとう」
「それじゃあまた学校でな」
入れ替わりを知るものだけが集う、三人だけのLINEグループが新たに加わった。