【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第50章 ハイキュー✿西谷夕「チェンジ♻」
ハーモニーを奏でるように張り上げた声を出すと、ギョッとした表情になる向こう側にいる女友達と傍にいる縁下。
これを説明しろといわれても、すぐ言葉が出てこない。
「……、」
ベッドから足を下ろすと地面まで届かない爪先。
声どころか肉体も自分のものではない。
嫌な予感を辿りながら、ちょっぴり薄汚れた上履きに足を通す。
(──考える前に行動せよ、私…!!!)
目の前にいるのは騒ぎかねない魂。
混乱しているのかヤツの時間は止まっている。
今のうちに。
ゲリラが作動するまでもう数十秒もない。
目の前でフリーズしている肩に両手をおき、女友達をマジマジ目にやって声をかける。
「じょ…女子。こいつに話があるから、出ていってくれないかい?」
─「えっ?で、でも…っ」
─「いこっ!…い~感じじゃん。ウチらがここいても邪魔になるだけだから」
─「そうそう。退散退散~」
─「え、あ、うん、分かった…。先輩たちには大丈夫だって言っておくね?念のため病院とか紹介、、」
─「あとでLINEしてよっ、ね。ほ~ら、なら意外としっかりしてるから大丈夫だって。心配しすぎい~。でわでわ、私どもはお邪魔しました~っ」
心配する女友達数名が保健室を出ていく。
あとはもう一人。
この場面から遠ざけなければならない人物に声を掛けようとしたら、肩に手を置いていた姿が騒ぎ出した。
「はあァアア?!どうなんってんだ!?俺が二人いる!?おまえ誰だ!?俺の身体返せェエエエ!!!」
「……、」
「……、」
振り向いた先にいた縁下と見つめ合って真顔で固まる。
オレオレ叫んでいる私の身体。
非常に気まずい。
もう手遅れだと悟った。
中身はそう。そういう事なんだろう…。