第1章 秘密の時間
-N side-
「お疲れ様でしたー」
途中で機材トラブルのあったけど、再開して無事に終了。
早くあの身体に触れたい。
早くあの人を独り占めしたい。
はやくはやくはやく………
大「この後に雑誌の取材とか俺寝ちゃいそう…」
櫻「何言ってるの智くん。今日殆ど動いてないでしょ!」
大「そういう翔くんこそ今日のクリフクライムも凄かったじゃん。過去ないくらい傑作だったよ?」
櫻「いーや!!今日は俺悪くないよ、絶対!!…て、ニノ?どうした、ぼーっとして」
「えっ…!?あぁ、翔さん…。いやねぇ、ツアーで何するかなぁって考えてたんですよ。」
本当は、このあとのことを考えて鎮まったはずの熱がまた浮き上がり身体が火照っていた。
そんな気持ちを抱きつつ、今日はこの後に仕事もないので急いで帰り支度をする。
「んじゃお先、おつかれした~。また明日撮影でね。」
なんて適当に挨拶をして足早に駐車場に向かう。
歩きながら明日の予定を改めてマネと確認しつつ、途中のエレベーターでメールを確認すると大野さんから返信が来ていた。
『To:カズ。
終わったらすぐ向かう。
覚悟しとけよ。』
「………っ。」
早く会いたくて堪らない気持ちを抑えて車に向かう。
自家用車で先に向かっている旨を返信して、車に乗り込みハンドルを切った。
向かう先は、もう行き慣れたルート。