第7章 ひこうき雲
- Nside -
今は待ってくれ、と目で訴えかけてくるのを見るに恐らく明日当たりの取材資料を揃えて置きたいのだろう
真面目なんだから……
「先にお風呂入るから、それまでに終わらせてよね…?」
渋々そう伝えてリビングを離れようとするとクンッと体重を崩す
何かと思えば愛しい人が上目遣いで服の後ろを掴んでいた
櫻「ごめんね…待ってて…?」
そんな顔をされたら、今すぐにでも押し倒してしまいたくなる
全く…分かってやっているんじゃないか?と疑ってしまう
唇の形をなぞるようにペロッと舐めてやると、身体中が赤く染まる
とてもさっきまで爽やかにキャスターとしてニュースの現場にいた櫻井翔と同一人物だとはにわかに信じ難い
翔ちゃんて、ある意味歩く危険物だよなぁ…なんて思いつつ
「待ってるね」
と伝えて風呂場へ退散する