第7章 ひこうき雲
ほろ酔い状態で
「「ごちそうさまでした」」
と口を揃え、食器を片付けてしまう
「ゆーかんゆーかん」
軽く酔いが覚めてから風呂に入ろう、とソファに腰掛けて今日の夕刊をチェックする
ニ「少しくらいゆっくりしたらいーのに」
お揃いのマグカップに珈琲を入れてくれたニノがコトリ、とテーブルの上に2つ置いて隣に腰を下ろしたかと思えば俺の膝を枕に寝転がる
「そーゆーわけにもいかないのだよ、和也くん」
コーヒーの感謝も込めてウィンクを返してやる。
ゆったりと流れるこの時間が好きだ。
二人の間に流れる柔らかな空気が好きだ。
心が陽だまりの中に居るようにぽかぽかと暖かくなる。
好きな人としか起こりえない化学変化ってやつか…?
なんて乙女のような事を考える自分の思考に、口元が緩む。
ニ「なーに可愛い顔してんのさ」
「か、可愛くなんかないよ」
ニ「可愛よ、とっても。」
にゅっと伸びてきたニノの腕が俺の襟元を撫でてニノの元に引き寄せられる
その手に身を任せて顔を近づけ口を塞がれる
口を離すと赤面したの顔がニノの瞳に映る
ニ「ほら、可愛い」
「ば…バカ……」
ニ「明日、昼からでしょ?」
う……
この流れはまずい、流される……
明日取材に備えて資料まとめて置きたいので出来れば今は勘弁して欲しい……
嫌なわけじゃないんだけどね、さすがに仕事に支障をきたすのは頂けないというか…