第5章 毒占欲
- Sside -
「ありがとう、ニノ」
……愛されてんね、あんた。
そう言って、切なくも憎しみを浮かべた様な顔を俺に向けて雅紀との電話を切り、携帯をこちらへ放り投げる。
なんせ、俺はニノの気持ちを知った上で利用しているんだ。
そうすることで、雅紀が俺から…離れないようにする為に。
「俺行くわ……」
ニ「雅紀のこと、泣かせたら許さないからな…」
じゃぁ…
そう言って雅紀と同じようにあの場所へ向かう。
雅紀との、思い出の場所…
始まりの場所へ…
「雅紀……おれは、お前を愛してるよ…」
だから、だからもっと俺を求めてよ…
もっとその愛で縛り付けてよ…
俺はお前の嫉妬が、独占欲がキモチイイんだよ
だからこそ、昨日の夜も連絡しなかった…
ツーショットのメールだって俺が送ったものだ…
「ふふ…ぁはは……」
思わず笑みがこぼれて、その口元を手で覆う。
こんな狂った俺を、お前はそれでも愛してくれる…?
今日は俺が、雅紀の一部なって1年経った日。
今まで以上に俺を求めてよ、
俺は雅紀を何処までも求めているんだから…