第1章 秘密の時間
-O side-
………ヤバかった…
なけなしの理性と闘いながら、急いで楽屋を後にしたけれど、さっきのキスの余韻がまだ残っている。
「あいつほんとに、魔性の女だ……」
ニノは男だ。
だけど、この言葉がしっくりくるくらいに本当に妖艶で……
あの瞳を見ているだけで、思わず吸い込まれそうになる。
「それにしても、久しぶりにニノから誘ってもらえるなんて…」
ブツブツ喋っていると、
相「ぁ、おーちゃん。おはよう!!!」
さっきの足音の主は相葉ちゃんか…
ありがとう、危うくあのまま楽屋で押し倒すところだったよ……
なんて感謝しつつも、惜しかったと思っている自分もいて。
「おはよう、相葉ちゃん。今日も元気だねえ。」
相「おーちゃん今日も早いね。もう誰か来てる?」
「もうニノがいるけどなんか体調悪そうにしてた。」
相「えぇ!?また夜ゲームしてたのかなぁー。」
「ふふ、たぶんそうかもね。相葉ちゃん様子みててあげてよ、俺自販機行ってくるから」
カズめ、さっきの仕返しだ。
内心そんな事を思いつつ相葉ちゃんと離れて、自販機へと足を進めた。
ニノとこんな関係になったのは2.3か月前のことで、久しぶりにみんなでご飯に行った時に俺が泥酔してしまい、ニノの家に連れ込んでもらったんだけど…
目が覚めたら何故かニノは泣いていて。
声を押し殺しながら泣いているニノを見て、俺はキスしていた……
そこからこの関係は始まったわけで。