第3章 君との距離、あと5センチ
- Oside -
無理やりベッドに戻されて部屋を足早に出ていったら、どうやら本当に掃除をしだしたらしくシャワーのおとがきこえる。
その音を子守唄にするように、気がついたら眠りについていた…。
相「…ちゃん………、好き…だ、よ」
次に目が覚めたら、家事を終えてくれたようで俺のベッドの横で小さく縮こまり寝言を呟いていた。
好きだよ、か…
羨ましさと嫉妬心とが入り交じったなんとも言えない感情が渦巻く。
肩を軽く叩いても目が覚めないのをいいことに、頬に軽く唇を当てる……
相葉ちゃん、雅紀…
好きだよ…
胸の内で、そう唱える。
「はぁ…寝るか」
そう言って離れようとすると寝ていたはずの雅紀が俺の腕をとる…
「え、な…起きて、たの?」
目には涙を浮かべながらキラキラと光る瞳で真っ直ぐに俺を見つめてくる。
「ご、ごめ………「おーちゃん……」」
すると今度は俺の頬に雅紀の唇が当たる。
………へ?
相「ずっと、ずっと言わないつもりだったけど………」
"好きだよ、おーちゃんが…大野智が、好きです"
確かにそう、聴こえた。
まだ夢を見ているんじゃないかって思ったけど、手を握られて、雅紀の体温を感じて、現実なんだと分かる。
「え……ぁ、その…………俺も…ずっと、好きだったよ…」
消え入りそうな声でそう伝える。
震える声にこの気持ちを、
確かにある雅紀へのありったけの愛を乗せる……