第3章 君との距離、あと5センチ
- Aside -
お粥のお皿を洗いながら、おーちゃんへの想いを再確認する。
好きだな、一緒にいたい、もっとずっと大切にしたい。
でも、俺の気持ちはきっと叶うことはないし……
ため息をつきながら、止まっていた手をまた動かす。
おーちゃんに出会ったジュニアの頃、あの頃はただただ憧れていた。
才能に溢れた尊敬するおにーちゃん、て感じ。
でも、一緒に嵐としてデビューして、一緒に活動する時間も長くなって、徐々にその気持ちは変化して……
「なんで俺、男なんだろ…」
そんなこと迄考えるようになっていた。
今までのこの人生に悔いがあるわけじゃないけど、やっぱりそういった壁を痛感する。
視線をおーちゃんに移すとちびちびと一生懸命ホットドリンクを飲んでいる。
熱のせいもあり少し顔が赤く目が潤んでいる。
か、可愛い………
大「相葉ちゃん、ごちそーさま。美味しかった。」
そう言ってふふっと笑いかけてくれるおーちゃんに、熱なんてないはずなのに火が灯ったようにポッと顔が熱くなる。
「あ、うん。良かった。 家事とかもやっちゃうけどいいよね?」
恥ずかしくなってこの場から逃げる為の拙い言い訳を繰り出して、
大「え、いいよそんなしなくても」
「俺がしたいの!ね?お風呂洗って洗濯回すだけだから」
おーちゃんの話を聞きながらも、背中を押して部屋のベッドへと座らせる。
辛くなったら呼んでね?と声をかけて浴室へ向かう。