第3章 君との距離、あと5センチ
そんな時に風邪を引いて、好きな人が自分の家に看病に来てくれている。
正直な話、据え膳食わぬは……なんだっけ、まぁそんな感じだ。
ニノの後押しもあって、相葉ちゃんの紅白の司会が決まった時に意を決して年内に告白するかな、とか考えたりもしたけどやっぱり怖くて……
そんなことを考えていたら大好きな声が大きめに聞こえてきた。
相「おーちゃーん!ご飯できたよ~。リビングこられる?」
ガチャ、と部屋のドアを開けると雅紀が立っている。
なんのセットもしていない髪はサラサラで、エプロンなんてしてるから、奥さんかと錯覚を覚えてしまう…
相「あれ、さっきより顔赤いね。熱上がったかな?」
大「ん、え…あ、そうかも…」
適当にやり過ごせただろうか……
相「お粥とホットドリンクね!身体あったまると思う」
上衣を羽織ってリビングに行くと、美味しうな匂いが鼻腔をくすぐる。
「いただきます。」
相「召し上がれ…!あ、食べさせよっか…?」
「…っゴホッゴホッんへぁ!?」
相「いや、熱上がったかもだし辛いかなぁと…やだった?」
泣きそうな顔をしながら力なく聞いてくるのがさながら小動物のようで。
嫌なわけがない、むしろいいのか…?
「あ、いや…お願いします。」
ふにゃんと微笑む姿が可愛くて、また体温が上がった気がする。
相「ふーふー…はい、あーん。どう?」
「おいひいでふ…。」
至れり尽くせりでお世話をしてもらい完食。
柔らかくも暖かい視線を感じながらホットドリンクをちびちびと飲んでいると幾分か身体が楽になった。