• テキストサイズ

【とうらぶ】我が家の燭さに【短編集】

第4章 某テーマパークでデート



鶴丸さんに、あれよあれよという間に私の休暇をセッティングされ、前から行きたがっていただろうと『夢と魔法の国』に行くという目的と、それならば護衛という名の名目で光坊を連れていけ!と、きっちりお膳立てまでされてしまったのだ。
私たちは恋仲ではあったけれど、なかなか出かけたりするという時間を設けたりはしていなかった。
前回は...去年...葉月の夏祭りだったかなあ。
今はもう年が明けて如月。無我夢中だったとはいえ、そんなにも期間が空いていたとは思わなかった。
この話を持ちかけた時の、光忠さんの本当に嬉しそうな顔が忘れられない。





「...思っていた以上に...恥ずかしいんだね、コレ...」

最終的に光忠さんが渋々、鼠耳付きカチューシャを付けてくれた。私はそれの女の子バージョン。
うん、自分で押し切った割に確かにこれは恥ずかしいかも知れない。

「わかる、でもさ?この場所だからこそ許されるような感じ、しない?」

そう、しつこいようだが此処は『夢と魔法の国』。
私たちだけじゃなく、小さい子やその両親に、カップルや男の子、女の子達の集団などがこぞって色々なカチューシャや奇抜な帽子をかぶって楽しんでいる。
それはさながら、この世界の住人になったかのような...こうして皆と楽しみを共有しているかのような。...それは、ちょっと大袈裟かな。

「...まあ...君の言いたいことも分かるよ、それに」
「うん?」
「僕達が付けているこの鼠さんたちは、恋仲なんだろう?...それなら、うん、いいかな...」

かわいい
なんてかわいいんだ。
この、本丸一の格好良さを追求する、お色気満載の、作り物みたいに本当に綺麗なイケメンが、鼠の耳を付けて、真っ赤になっている。
しかも『鼠さん』って!!!
照れくさそうに、それでも本当に嬉しそうに笑うから、なんだかちょっとだけ泣きそうになってしまったのは内緒だ。

/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp