第2章 引退
「ンフッ♡」
グレルが魂を回収してる。
(グレルほんと元気だなぁ〜ついてけねぇわw)私はグレルを見ながら苦笑いを浮かべてた。
「ちょっと!クロウちゃんアンタも(回収)手伝いなさいヨ!」リストに判子を押しながら私に指示してきた。
「はいよ…」私も魂を回収し始める。
ー数分で回収は終わった。
「さて、帰るわよ!割と厄介だったわネ!」グレルが私の方を見る。
「確かに…少しだけね」私は歩き始めると何かにつまづいて転んだ…そして、目の前が真っ黒になった…
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…グッ…アァ…」私は自分の両目を抑えた。
「ちょちょちょちょっと!クロウ!アンタ!」グレルが私を抱えて走ってることが分かった。
ー私は視力を失った…あの時私の目に刺さったのはグレルのポッケから落ちて床に持ち手の方が床に刺さってしまったデスサイズ(ハサミ)だ。
(ついてない…最悪だ…不運だ…痛い…)そんなことを浮かべていた。
ーそのハサミは私の眼鏡を貫いて私の瞳に刺さったらしい。
(もう、私は何も見えないのか…仕事も引退するべきだろうか…)私はそんなことを考えてしまっていた。
「クロウちゃん…ごめんネ…アタシのせいで…」グレルが私の頬にそっと触れたのが分かった。
「ううん…良いの、私が踏み間違えたんだし…自業自得だよ!」私はグレルのいるであろう方角を見ながら微笑んだ。
「包帯…変えるわヨ?」グレルが私の目の上に巻いてある包帯を取っているのが分かった。
包帯を変え終えるとグレルは私の頭を撫でた。
「私…引退しようと思ってるの…」私がそう言うとグレルの口から「えっ?」って漏れる声が聞こえた。
「ちょっと…引退?な、何言って…」それに重ねるかのように
「私はシネマティックレコードが観れない…魂も恐らく回収不可能…だから、引退するべきだと思うの…ごめんね、グレル…決めたことなの…手続き手伝ってくれる?」私は首を傾げた。
「はぁ…全く面倒な先輩ネ…ま、アナタは昔っからそうヨネ…いいわ、手伝ってあげるワ…」グレルの溜め息が漏れた。