• テキストサイズ

葬儀屋の彼と死神の私

第7章 仮面舞踏会


ー仮面舞踏会当日の朝

朝日がカーテンの間から部屋に入ってきた。
(ん…もう朝か…おk)身体を起こそうとはしたが動かない。
(この状況って…)私は反対側に身体を回してみた。
ーアンダーテイカーが布団に入って眠っていた。
(え、ちょっ…近い!!)私は一瞬息を止めてしまった…それもそのはずだ葬儀屋が目の前にいるのだから。
「ア、アンダーテイカー?お、起きて〜」私は葬儀屋の肩を叩きながら声をかけてみた。
「ん〜〜」葬儀屋は私を胸元まで抱き寄せた。
(うわぁぁぁ!!)私は声にならない悲鳴を心の中で叫んでいた。
「ちょ!アンダーテイカー!起きろ!」私は葬儀屋の胸元を叩いて起こそうとした。
「ん…」起きる気配…ZERO!
(近い近い近い!それにしても…寝ていても前髪で目は隠れてるのな…)私は勇気を出して葬儀屋の前髪に触れて上にあげようとしたら「小生に何しようとしてるのかなぁ?」葬儀屋の手が私の手首を掴んだ。
「え、えと…前髪を…あげようとしてました…」私は葬儀屋とのほぼゼロ距離で手を掴まれていることに驚いていた。
「へぇ〜小生の顔を見たいのかい?ヒッヒッ」葬儀屋が少し距離を詰めてきた。
(ちょちょちょ!近い近い近い近い!待て待て待て!)目が見えてなかった時とは違い今は見えている…葬儀屋の顔(目元より下)が見える…その状況に私の心臓は耐えれそうもない。

「いや…いい…それより、早く起きよう!」私は葬儀屋の腕から抜けるとすぐに布団を出た。
「ヒッヒッヒッ…クロウは面白いねぇ〜」葬儀屋が布団を出る。
バタンッ 葬儀屋が部屋を出た。
(ほああああああああああああ?!本当に待って…アンダーテイカーってあんな人だったっけ?!心臓が止まる!もう止まってるけど!!)私は着替えながら頭の中で叫んでいた。
(目の見えなかった頃に戻りたい!!戻っても変わらない気がするけど!!落ち着け私!!)私は必死に自分を落ち着かせようとしていた。


「クロウ今夜は仮面舞踏会だよぉ〜?行くことでいいんだよねぇ?」葬儀屋が改めて確認するように聞いてきた。
「うん…せっかく誘われたのに断るのもなんか…ね?」私は微笑みながら答えた。
「ヒッヒッヒッ…なら、馬車を執事くんに用意してもらわないとねぇ〜」葬儀屋がそう言いながら店の奥に歩いていった。
/ 24ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp