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葬儀屋の彼と死神の私

第7章 仮面舞踏会


ー仮面舞踏会、会場。

「す、凄い人集り…」私は仮面を身につけて葬儀屋の隣に立っていた。
「ヒッヒッ…伯爵が集めたんだろうねぇ〜」葬儀屋がニマニマしながら言った。
「クロウと葬儀屋来てくれたんだな」「葬儀屋様とラベンナ様は楽しまれてますでしょうか?」伯爵とセバスチャンがこちらに歩いてきた。
「招待感謝するよ伯爵〜」葬儀屋が私の前に少しだけ出てきた。
「そう言えばクロウは踊らないのか?」伯爵が聞いてきたので私は「はい、踊れない訳ではなく踊りたくないって感じですね…」私は困り笑みを浮かべた。
「なるほどな…まぁ、無理に踊れとは言わない。楽しんで帰るといい」伯爵はそう言い残すと会場を歩き始めた。

「さて、小生は少しだけ席を外すけど会場からは出ないようにしてね?」葬儀屋はそう言って私の隣を外れた。
(何しよう…とりあえず会場を歩いてみようかな…)私は少しだけ会場の中を歩いてみた。

「お嬢さん、ちょっとよろしいかな?」いきなり知らない男の人に話しかけられた。
「はい、なんでしょう?」私は男の人の方に顔を向けた。
「随分と綺麗な人だったので思わず声をかけてしまったが…迷惑ではなかったかな?もし、宜しければ一緒に飲みませんか?」男の人はそう言いながら私の方を掴んできた。
(あ〜これ、ナンパってやつだな…それにしてもこの男…少しだけ血の匂いがする…)私は断りきれず連れていかれるがままだった。
「いや〜君みたいな綺麗な人に会うのは初めてだよ!」男の人は私にワインを持ってきた。
「私は全然…他にもっと綺麗な方が…」私はワインを受け取り口に運んだ。
「君みたいな綺麗な人は…死んでも綺麗なんだろうねぇ〜」男のセリフを聞き終える前に私はワインを飲み干していた。
(しまった…このワイン……)私はワインに入っている睡眠薬に気づくのが遅かった。
ー私は眠らされた。


「さて、そろそろクロウの所に戻らないとねぇ〜」小生は伯爵との話を終えて早歩きでクロウのいる所へと向かった。
(あれぇ…)クロウの姿が見当たらない…小生は伯爵と執事くんに彼女を見ていないかと聞いてみた「クロウ?見てないぞ?」「申し訳ありません…見かけておりません」二人揃って"見てない"と答えた。
(クロウ…何処にいるんだ…)小生は会場から飛び出した。
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