第5章 約束…
ー翌日ー
(朝…なのかな?)私はぼんやりと見える光の方に歩きながらカーテンと思われるものを一気に開けた。
(うん、朝だわ…今日はどんなことがあるのやら…葬儀屋に帰りたい…)私はそんなことを思っていたら扉が開いた事に気づいた。
「おはようございます…ラベンナ様。朝食の用意ができております」セバスチャンがそう言いながら私の前まで歩いてきたのが分かった。
「おや?目の回復が随分とお早い」私の目を見ていた。
「あのぉ…」私が少し困っていることに気づいたのか「これは失礼致しました」とすぐに謝ってきた。
ー包帯をつけ変えてもらうとすぐに案内してくれた。
「今日はセバスチャンと一緒に買い物に行くからお前も着いてこい」と伯爵が言ってきた。
「はい…分かりました…」私は紅茶を口へと運びながら返事をした。
(ついでにアンダーテイカーのとこに寄ってみようかな…)私は少しだけ楽しみだった。
ーロンドンの街を馬車が走っていくが目の見えない私には外を見ることが出来ないためただただ静かにしていることしか出来なかった。
(話すことも無い…迷惑にならないようにしなきゃ…)私はそんなことを考えていた。
「着いたぞ、セバスチャン!クロウを手伝ってやれ」伯爵がそう言った。
「御意…ラベンナ様お手をどうぞ」とセバスチャンが言ってきたので私は声のする方へと手を差し出した。
「僕が修理に出してた杖はどうだ?」伯爵が店の人と話している。
「こんな小さな杖を使うのは誰かと思ったら君かw」店の人がそんなことを言った。
ジャラッ お金が入った袋の置かれる音がした。
「次は葬儀屋のとこに行くぞ…」伯爵のそのセリフに少しだけ嬉しくなった。
「あの事件の情報をお聞きに行かれるのですね」セバスチャンと伯爵の会話に私は耳を傾けていた。
ー葬儀屋に着いた。
「葬儀屋、居るか!」伯爵の声が店の中に響く。
「おや、伯爵と執事ようこそ〜」葬儀屋の声が私の背中からした。
「それと…おかえりクロウ〜」葬儀屋の手が私の両肩に乗ってきた。
「ただいま…」私は少しばかり安心した。
「さて、今日はあれについて知りたいんだろぉ伯爵?」葬儀屋の声が少し遠くなる。
「あぁ、そうだ!」
「なら、小生に極上の『笑い』をおくれ〜?」葬儀屋がそう言うと「坊ちゃんここはお任せを」とセバスチャンが言う。