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葬儀屋の彼と死神の私

第5章 約束…


「でも、なぜ私を預かると?」私は頭に"?"を浮かべた。
「実は坊ちゃんの単なる好奇心なのです…盲目の貴方がどれくらい役に立つのか…という好奇心なのです」とセバスチャンは言ってきた。
(あ〜これ絶対扱き使われるやつだ〜)私は苦笑いを浮かべていた。
「それとラベンナ様包帯を巻かせて頂いてもよろしいですか?」セバスチャンが私の顔に触れてきた。
「あ、あぁ〜はい…」私は大人しく巻き終えるのを待った。
「はい、終わりましたよ!」セバスチャンがそう言うと私の手を取り伯爵の元へと案内してくれた。


「お前をしばらく預かると葬儀屋には伝えておいた」伯爵の声が耳に入ってきた。
「それは執事さんから聞いてます…盲目の私に興味を持った…と聞いてはいます」と言ってやった。
「ふん…セバスチャン!後は任せた…」伯爵がそう言うと「御意!」私の背後からセバスチャンの声がした。

(なんでファントムハイブ邸の世話に…アンダーテイカーのとこでも充分だと…)私はそんなことをブツブツ思いながら白杖を使ってファントムハイブ邸内を散歩していた。
「わぁぁ!あ、危ないですだぁぁ!」歩いていたら女性の声がした。
「え?わっ!?」私の頭に何かが当たった。「いたた…なに?」頭の痛い部分を抑えながら私は声のした方に顔を向けた。
「だ、大丈夫ですだか?!」女性の声が近づいてきた。
「大丈夫ですよ…アハハ…」私は何とか笑ってみせた。
「すいませんですだ…掃除をしようとしてバケツを持って歩いてたら床が濡れてることに気づかず滑ってしまっただよ…」女性が事情を話してくれた。
(いやいや…滑って転んで手に持ってたバケツが飛んで私の頭に…ってどんだけ私は不運なんだよ…)私は軽いツッコミをした。

ーその後女メイドが自己紹介してくれた。
「メイリンさんはドジっ子なんですね…」私はメイリンに案内されながらファントムハイブ邸内を歩く。
「えへへ…クロウさんは盲目なんですだね…だからよけれなかったんですだか?」と彼女は聞いてきた。
「まぁ〜そんな感じかなw」と言うような会話をしながら他の使用人達にも紹介してもらった。

ー庭師のフィニアンさん。シェフのバルドロイさん。執事のタナカさん。

今日は使用人達と仲良く話をしていたら一日が終わってしまっていた。
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