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葬儀屋の彼と死神の私

第5章 約束…


シュル…シュル… 葬儀屋が包帯を外す音がする。
(この音も…何回目だっけ…)私は見えるはずのない目を開けてみせた。
「ん〜やっぱり戻ってきてるねぇ〜」私の目に映ったのはぼんやりとだが…恐らくアンダーテイカーだ。
(これが…アンダーテイカー?)私はぼんやりと見える葬儀屋の顔に触れた。
「ん〜?小生の顔が見えるのかい?」葬儀屋が聞いてきた。
「いや、ぼんやりとしか…」私は葬儀屋の顔に触れながら答えた。
「そうかい…ほら、包帯巻くよ?」葬儀屋がそう言って私の目に包帯を巻き始めた。
(白…白い…髪と肌…?肌触りは…少しばかり冷たかったけど…すべすべだった…)私はぼんやりと見えた葬儀屋の特徴を記憶しようとしていた。



「全く世の中は物騒だねぇ〜?」葬儀屋が検死しながら呟いた。
「そのお客さん何かあったんですか?」私は葬儀屋にタオルを渡しながら聞いた。
「このお客さんは惨殺されてる…使われた刃物は恐らくボウイナイフ…刃長20-30cmのクリップポイント、しっかりしたダブルヒルトを持った大型のシースナイフで、武器であると同時に日用品としても利用でき、一般にいうところのハンティングナイフやサバイバルナイフの原型となっている。元はヨーロッパで使われていたブッチャー・ナイフを改造したものが始まりだといわれているものだねぇ…」と葬儀屋は教えてくれた。

(いや…推理力やべぇだろ…葬儀屋より探偵に向いてんじゃねぇの?)私は苦笑いした。
「それは伯爵に教えるおつもりで?」私が聞いたら葬儀屋は「まぁ〜伯爵が必要なら教える…必要ないなら小生は何も言わないよぉ?ヒッヒッ…」と葬儀屋が答えてきた。
「な、なるほど…私はちょっt…」言い切る前に私の身体は床に叩きつけられていた。
ー意識が消えてしまったのだ。


ポチャ…ポチャッ 水の音が耳元でする。
「ん…ここは?」私はぼんやりとしか見えない目を開けた。
(痛い…頭をハンマーで叩かれたみたいだ…)私は頭を抑えながら体を起こした。
「おはようございます。ラベンナ様、体調の方はいかがです?」聞いたことのある声がした。
「執事…さん?なんで?」私が声のする方へ顔を向ける。
「葬儀屋様の元へ行ったらラベンナ様が倒れていらしたので…葬儀屋様に坊ちゃんが"クロウは僕が預かってやるから今日の対価は負けろ"と申しまして…」
ーなるほど把握
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