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葬儀屋の彼と死神の私

第5章 約束…


ガシャンッ!ドシャンッ!

「ア゙ア゙ア゙ア゙もぉ!いい加減諦めてくれないかなぁ?!」
「ヒッヒッヒッ…小生は諦めが悪いからねぇ〜?」
ー朝っぱらからそんな会話をしていた…原因は…
「私の白杖返してくんないかなぁ?!」
ーそう、これが原因。
「えぇ〜だって外に出る時は小生と手を繋いで出かけてるんだし〜要らないだろ?」葬儀屋が白杖を強く握りながら離してくれない。
(チッ…力勝負になるとアンダーテイカーの方が少し上だし…あぁ…どうしよう…)私は必死に頭を働かせた。
「素直に諦めてくれるかい?」葬儀屋のちょっと低い声が耳元で聞こえて「ふおぉ?!」声に驚いて1歩後ずさる。
「ヒッヒッヒッ…ほらほらぁ〜諦めるのかい?」私の白杖が床にコツコツと当たる音がする。
(アンダーテイカーマジで…)
ーその音を聞きながら多少…いや、かなりのイラつきに拳を構えてしまう。

「返してください!それは私の大切なものなんです!」私は葬儀屋のいる方角へと身体を向け手を前に差し出した。
「えぇ〜しょ〜がないな〜…はい」葬儀屋はすんなり白杖を私の手に乗せてくれた。
(え、は?なんだ…あっさりと返ってきた…)調子が少しだけ狂ったが私は白杖をすぐに握りしめて「ありがとう…」と言って自室の方へと足を進めた。

バチッ 何も見えない両目に激痛が走る。
「アァ…グッ…はぁ…はぁ…」私はその場に膝をつけて両目を手で抑えながら肩で呼吸をしていた。
「おやぁ〜?そろそろ視覚が戻ってきたんじゃないかなぁ?随分と回復が早いねぇ…」葬儀屋の声が私の背後からすると少し冷たい手が私の目の上の包帯に乗せられた。
「ア…アンダーテイカー…」私は少しだけ驚いた。
「ヒッヒッヒッ…包帯、変えようか…」私は葬儀屋に支えられながら立った。
(視覚が戻ったら…アンダーテイカーに感謝しなきゃな…)私は葬儀屋に引かれながら歩く。

ー早く視覚戻らないかな…
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