第4章 アンダーテイカー
「なな…はち…(バキューン)…じゅう…」彼は数字を数え続けていた。
(やばいwだんだん笑いがwファントムハイブ家の執事恐ろしいw)私は堪えるのに必死だったが……
「クッwアーハッハッハッwwwやめwwwウヒャwwwダメwやめwてwww」私は床に転げ落ちた。
「これで話してくれますね?」セバスチャンの嬉しそうな声が頭上からした。
「はw話すw話すよwwwウッヒャヒャwww」私はお腹を抑えながら机を使って立ち上がった。
「その手のひらに『D』と書かれたお客さんはアンダーテイカー曰く首の血管だけを綺麗に抜き取られてたって言ってて…」私は葬儀屋から聞いた話をそのまま伯爵に伝えた。
「で、『D』は死体の名前のイニシャル…じゃないかな?だったら次に狙われるのは…わかるね?」と私は言いながら死体の名前をまとめた紙を伯爵の前に差し出した。
「これで足りるかな?まだ欲しいって言うならまた『アレ』を貰うけど…」私は首を傾げた。
「いや、充分だ…行くぞセバスチャン!」伯爵が席を立って店を出たのが分かった。
(あぁ…笑い死ぬかと思った…もう死んでるけど…)私は力が抜けたかのように床に座り込んだ。
カランカランッ 葬儀屋が帰ってきた。
「ただいま〜お土産持ってきたよぉ〜」葬儀屋が私に箱を渡してきた。
「え、あぁ、ありがとう…」私は箱を触っていた。
「君の目が治った時に開けてねぇ〜それまでは箱の中に大切に仕舞っておいておくれ…ヒッヒ」葬儀屋が言う。
(くれたのに開けちゃダメとかなんだよそれ!!じゃ、寄越すなし!)私は心の中でブツブツ文句を言っていた。
「なら、部屋に仕舞っておく…」私はそう言って自室へと歩いていった。
「それと明日は小生と出かけようか〜君の服とか新しいの用意してあげないとねぇ〜」葬儀屋が私の背中に向かって言ってきた。
「いいのか?なら、お願いしたい…」私は足を止めてそう言った。
(明日…アンダーテイカーと出かけれる…買い物に行ける…初めて外を歩けるのか…)そう思いながら再び自室へと足を運んだ。