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マイクから紡ぐ夢【ヒプマイ】

第1章 『野良猫ギャンブラーの手懐け方』有栖川帝統 R18




ふ、と目覚めたのは朝方。
カーテンの隙間からは柔らかな日差しが差し込んでいる。
隣には大きな身体を猫のように丸めて眠る帝統。
ゴミ箱を見れば1回分の避妊具が中身の入ったまま捨てられていた。

ぐっと伸びをする。
体のそこかしこが痛むけれど、不快な痛みではない。

喉が渇いたからと立ち上がりキッチンへと向かい冷蔵庫の扉を開ける。
ミネラルウォーターのペットボトルを開け一気に飲み干しゴミ箱へとシュートするけれど、それはやや軌道を外しゴミ箱を倒した。

散乱するゴミ。
先程見つけた避妊具や事後処理をしたティッシュペーパー。
財布から出したレシートや帝統が来る前に飲み干したパックジュースのゴミを再びゴミ箱へと戻していくと、捨てたはずのないメモ。
握りしめたようにぐしゃりと歪んだそのメモを開けば、やや乱雑に書きなぐったような文字が羅列されている。

「"安物だけど"…?何、これ。」

あとで問いただそうと、折りたんだ紙を机に置けば何かがかちりと鳴る。
それが何か目視した時、メモの内容の意味がわかりかあと頬が熱くなる。

指にはまった鈍く光るリング。
中に埋め込まれた石が、きらり、光った。


end

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