第1章 はじまり
「・・・主が戻った。広間に集まれ」
「伽羅ちゃん、ありがとう。そうだ、こちらは今日顕現した同田貫正国くん」
「よろしく頼む」
「彼は大倶利伽羅……」
「なれ合うつもりはない」
光忠にかぶせるようにそう言うと、大倶利伽羅はすぐに去って行った。
「なんだありゃ?」
呆気にとられたような顔をする同田貫に、光忠がにこにこと笑う横で長谷部がうんうんと小さく頷いている。
「伽羅ちゃん、よろしくだって。良かったね、同田貫くん」
「はあっ!?」
「あいつは優しい所があるからな。良かったな、同田貫」
「どうしたらそう言うことになるんだ!?」
「伽羅ちゃんは、ちょっとわかりにくい所があるけど、大丈夫。段々慣れるからね」
「はあぁ、そう言うもんかね」
「よし、では広間に行くぞ。主をお待たせするわけには行かないからな」
こうして三人は広間へと向かった。