第1章 はじまり
******
「よく来たな、同田貫正国」
「人の身には少しは慣れたかな?」
まだボーッとする頭をさすっている同田貫の前には、先程の二人が座っていた。
「主命により、主に代わり このへし切長谷部がお前を迎え入れる。よく来てくれた。主からのお言葉だ」
「いらっしゃい 同田貫くん、歓迎するよ。ごめんね、主くんは君が寝ている間に出掛けちゃったから、僕らが代理。僕は燭台切光忠だよ」
眉間に皺を寄せ威厳を保とうとする長谷部の隣で、光忠がにこにこと笑う。
「あー おぅ。よろしく頼む」
人の身体に慣れないからだろう、手をグーパーしながら同田貫が答える。
「もう少し身体が馴染んできたら、この本丸の中を案内するね。その前に…さぁ、長谷部くん」
「あぁ、わかっている」