第1章 はじまり
「・・・貴様!」
「ダメだよ、長谷部くん!」
同田貫に飛び掛かりそうになった長谷部を燭台切が羽交締めにして止める。
すると、全と名乗った男が大きな声で笑い顔を上げ、手を振り長谷部をなだめる。
「あははっ、さすが同田貫。言うことが真っ直ぐで分かりやすいなぁ。確かに俺には狐の血が流れてるけど、半妖だ。あいにく見た目は人間の血の方が濃いらしい。期待に添えず悪かったな。
さて、挨拶が済んだから神様扱いはここまでだ。よろしく頼むよ。まずはその身体とここでの生活に慣れてもらおう。ここでの暮らしは割と忙しいからね」
「なんか俺、悪いこと言ったか」
「あぁ、大丈夫。長谷部も落ち着いて。疑問を口にすることは悪いことじゃないからね。気になることは何でも言ってくれ」