第2章 🌕️それぞれとの出会い
🌕️監禁前
うらたぬきとの出会い
うらたぬきside
その出会いは、俺がまだ小学1年生の頃。
ある日、親戚の女の子の家に遊びに行った。
俺より一歳年下の女の子だ。
俺がソファーに座ってゲームをしていると
女の子が「こんにちは!」と笑って声をかけてきた。
いつもの俺ならシカトする所だが、
この時ばかりは何故か「こんにちは」と笑い返していた。
すると、女の子は返事をしてもらえたのが嬉しかったのか
俺にたくさん話しかけてきた。
普段の俺だったらウザイと言って舌打ちをするところだが、
一生懸命話しかけてくる姿が何故だか可愛らしく思えて
全て笑いながら丁寧に答えた。
まるで、俺じゃないみたいだ。
女の子の名前は泉田さきというらしい。
人懐っこいタイプなのか
俺にたくさん甘えてくる。
とても可愛い女の子だ。
女の子の家に行った後、俺はお母さんに頼み込んで
よく女の子の家に遊びに行くようになった。
あの女の子の事を気に入ったのだ。
その後、一年二年と年は過ぎていった。
そして、現在。
俺と、女の子は兄弟のような関係になっていた。
俺は、女の子の事をさきと呼ぶようになった。
さきは、自分が可愛いという自覚がなくて
可愛い態度を無自覚でとる為、よく男に狙われる。
その度に俺が叱っているが反省している気配は無い。
鈍感すぎる。
でも、俺が一番さきの事を分かっているから
別に良い。
…なんで、一番分かってるって確証を持てるかって?
それは、毎日さきの家に行って
勉強を教える振りをして、さきが居なくなったら
部屋の棚の中とかをすみずみまで見てるから。
俺が兄でさきが妹なら
兄が妹の事を全て知っているのは当然でしょ…?
さきの一番は全部俺だよね?
………そうだよね?さき…。
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