第6章 呼ばれた扇子と紅い王子との出会い
そんな彼女の様子に予想内した紅孩児は小さくため息を吐く。
紅孩児「…やはり無理もないか。しかし我が部下は甘いから三蔵一行を殺せないだろう、俺はそう思ってる」
「…そんな言葉、信じると思うんですか?」
紅孩児「それは会えばわかる。…すまない、部下が危ないから先に行くぞ」
シュンッ!
「「!?」」
そう言うと瞬間移動して紅孩児の姿が消えてしまった。突然の行動にと葵は思わず驚く。
「い、一瞬に消えたよ⁉︎」
「…妖術かな?でも、あの人は今までの妖怪たちとは違う…感じがするけど」
「ボク達を捕らえようとしないだもんね。でもアイツは部下を迎えに来たって言ったけど、もしかして三蔵たちの所へ向かってるんじゃないかな?」
「………」
「………そう、だよね?」
ーーゴオオッ!
葵の言葉に思わず無言になる。葵の一声に一瞬にして、翼を生える葵と換装する。
「ーー換装‼︎『飛翔の鎧』‼︎」
着ている服が流れ始め、変化したのはチーター柄の水着に猫耳も付いている。他人から見てもセクシーな格好しているだろう。が、そんなの気にしていないは葵に声をかける。
「葵!私は先に行くから‼︎」
「え⁉︎ちょ…ーー早いよぉ‼︎待って〜〜‼︎」
がそう言うと葵の前から一瞬に消えて行った。葵は慌てて飛ぶスピードを上げながらの後を追いかけて行った。
ー*ー*ー*ー*ー*ー
と葵が三蔵たちにいる所へ向かっている中、紅孩児が八百鼡を迎えに来た所だった。建物の上に八百鼡をお姫様抱っこしながら三蔵たちを見下ろす。
紅孩児「今までの部下の非礼は詫びておこう。ーーだが、貴様らが我々の計画を阻む限り必ず貴様らを抹消させてもらう。…そして次『も』『桜の騎士』に必ず頂く」
「「「「!!」」」」
紅孩児の言葉に衝撃を受ける三蔵たち。これまでと葵の姿を見てない。つまり、紅孩児と出会った事になる。
悟浄「おい…と葵はどうした⁉︎何もしてねーだろな⁉︎」
八戒「落ち着いて下さい、悟浄!」
悟空「…っ」
三蔵「……」
怒りを表す悟浄に落ち着かせるように言う八戒。三蔵と悟空は紅孩児たちに警戒を増す。紅孩児は彼らも同じ彼女の事に片想いを持っている事を小さく息を吐く。