第6章 呼ばれた扇子と紅い王子との出会い
その夜、宿を取った三蔵たちはそれぞれの部屋で過ごしている。ちなみにと葵は色々あって少し疲れたので三部屋してもらった。
「は〜〜〜…今日は色々あったな」
「今日は二つの出会いがあったね。できればあの紅孩児って奴とまた会ったら面倒な事になるよ…」
「はは…;;」
ベッドの上でゴロゴロする葵を見て苦笑いを浮かべる。ふと、あの店主から貰った扇子の事を思い出してから取り出すとじっと見つめる。
「…この扇子は一体なんだろうね?」
「分からないけど…なんだか、手放してはいけないような気がするよ」
「そっかー。でも、良い武器を貰えて良かったね!」
「…そうだね!」
小さく笑い合うと壁の向こうから三蔵たちの声を聞こえてきた。
「…悟空と悟浄はまた何かやらかしたみたいだね」
「ふふ、そういう所も玄奘たちらしくていいよね」
三蔵たちの部屋へ行こうと思ったがさすがに疲れてきたのか早めに寝る事にしたと葵。
の側に置かれた扇子から微か美しい声が出した。
《…やっと、会えたな。舞…いやか。あれから500年経ったか…長かったのう。今度こそ、お主を必ず護ろう…500年前のようにならないように、な》
三蔵一行は明日も更より西へ進むと新たな試練を待ち受ける事と三蔵にとって過去の試練を待ち受ける事も、まだ知らないーー。