第2章 出会い
悟浄「ん?どーしたのよ?」
悟空「……なぁ、気のせいかも知れねぇけどーー猫って、飛べるんだよな?」
「「「は⁇」」」
上空を見上げながら悟空の言葉に思わずハマる大人三人。
悟浄「おいおい、何言ってんだ猿。飛べる猫なんているわけねぇだろ?」
悟空「だから猿って言うな!なら、自分の目で見ろよ!」
三人は悟空の指を指す方向をじっと見つめると確かに猫の姿だが、それに…
悟浄「…マジで、飛んでるよな…背中から“羽”が生えてんぞ…?」
八戒「…本当に、猫ですよね…?」
三蔵「………まさか、な…」
ありえないものを見る悟浄と八戒だが三蔵は驚かずに飛んでいる猫を見て小さく呟く。
三蔵「ーーおい、八戒。あの猫の後に追いかけろ」
八戒「え、三蔵?」
悟浄「おいおい、いきなりどうしたんだよ?」
悟空「三蔵?」
突然の三蔵の言葉に不思議そうに浮かべる三人だが、三蔵は更より遠くへ飛んで行く猫を見て真剣な声を上げる。
三蔵「説明は後でする。いいからあの猫を追いかけろ、すぐ見失うぞ」
八戒「…三蔵がそう言うなら急スピードを出しましょう。ジープ、ちょっと我慢して下さいね」
『キュー』
悟浄「っかぁ〜〜っ、どうなるか知らねえぞ?」
悟空「でも、俺はあの飛んでいる猫に興味があるぞ?」
三蔵「…とにかくに急げ」
八戒「はいはい、それじゃあスピード上げますよー」
そう言うとジープのスピードを上げて見失うてしまう猫の後を追いかけた。その頃、一行が追いかけてくる事を気づいていない紺色の猫ーー『葵』は両手で大量のリンゴを入った籠を持ちながら飛んでいる。
「今日はたくさん採ったな〜。またアップルパイを作ってくれるかな〜🎵」
ルンルンと嬉しそうに言う葵は早く帰ろうと更より飛ぶスピードを出そうとするが…
ブロロローー…
「…ん?」
後ろから聞き慣れない音を聞こえ、振り向くとこちらを向かって走っているジープがいた。
悟空「あ!こっちに気付いた!」
悟浄「どうやって止めるんだよ?」
八戒「猫だからそうは止めてくれないんでしょうか?」
三蔵「…そうとは限らんぞ。ーーおい、そこの猫!」
三蔵がこちらを見る葵に声をかけるとーー
「むっ!そこら辺の猫と一緒にしないでくれるかって………あ」
「「「…………」」」
三蔵「…やっぱりな」