第5章 悟浄の過去と覚悟
「…それもそうですね」
小さく笑い合う二人を見た葵は密かに応援する。
「(…頑張れ、)」
ーー次の日の朝
先に起きた旬麗は洗濯するため外へ出たが、家の裏に女性二人が村のうわさについて話していると西の森で人を襲った妖怪が『茲燕』によく似てるだという事を聞き盗みしてしまい、西の森へ行ってしまった。
「ええっ⁉︎旬麗一人で行ったの⁉︎」
「そんなの危険でしょう!すぐ追いかけないと‼︎」
慌てて半から三蔵たちに話した事をと葵も話すと旬麗の後を追いかけようとするが、三蔵が止めた。
三蔵「待て、と葵はここに待ってろ」
「え?どうして?」
三蔵「この村はもし妖怪たちが襲われた場合に誰かいなきゃいけないからな」
八戒「僕たちだけで探しますからお二人はもしもの時にこの村を守って下さいね」
「それもそうだよね。うん、分かった。気を付けてね」
「ジープも気を付けてね!」
「キュー!」
悟空「絶対旬麗を連れて帰るから待っててな!」
悟浄「そうそう、だから安心して葵と待っててな」ぽんぽん
「っ…わ、分かった///」
「「!」」
悟浄がの頭に二回なでるとが少し頰を染めたのを見た三蔵と八戒は何かを気付いた。
三蔵「おい…クソ河童…」
悟浄「さーあ、急いで探しに行こうぜ!」
三蔵の声を重ねるように悟浄はさっさと三蔵たちに西の森へ行こうとする。三蔵と八戒はなにかを言いたい事があるが後で問い詰めようと思うのだった。
ブロロロー…
「…三蔵と八戒、すぐ分かったかもね」
「…そうかもね」
最後まで見送った後葵の言葉には苦笑いを浮かべる。
「久しぶりに飛んでも大丈夫?」
「うん、それもそうだね!」
背中から羽を生えてからの首元を掴んで上空へ飛んでいく。
「んん、私が飛ぶよりいいかもー」
「あはは、そうならいつでも飛べるよ」
村から数メートルくらいの辺りに上空を飛び続ける。
バサバサッ
「…ん?、向こうから何が飛んでくるよ」
「え?…本当だね。多分、カラスかな?」
飛んでいると葵を向けて飛んでくる黒い物体がいた。だんだん近づいてくると一匹のカラスが飛んで来た。
「「…?」」