第5章 悟浄の過去と覚悟
八戒「本人に直接聞けば…」
悟空「ぜってー嫌。…だけどなんか、俺なんにもヒミツとかねーのにアイツにあるのってズルイじゃんか」
枕を抱きしめてムスッと不機嫌そうな表情を浮かべる悟空を見て三蔵は呆れるようにため息を吐く。
三蔵「…ガキ?」
悟空「悪かったなガキでよ‼︎まだ未成年だもんよ。いや、も未成年か」
三蔵「はもうすぐ成人なんだからそんなの関係ねーよ」
トントン…ガチャ
「いや、関係あるよ。まだ誕生日迎えていないしね」
「お邪魔しまーす」
悟空「!、葵」
ドアを開き、現れたのはいつもの服を着たと葵。
三蔵「なんだ、もう着替えたのかよ。似合ってんのにな」
「もう、玄奘まで!あの服を着るのは嫌だからね‼︎///」
「八戒、ボク達も聞いていい?」
八戒は真剣な表情を浮かべるたちを見て小さく息を吐く。
八戒「…本当は本人から言うべきですが、口止めされていませんしね。と葵にとって話す時が来たですしね」
「「……」」
八戒「ーーその人の名前は『沙爾燕』。悟浄が8歳の時から行方不明のままの命の恩人ーーそして、お兄さんだそうです。いわゆる、『腹違い』の…」
「「「ーー!」」」
三蔵「…つまり、その『爾燕』って男は“純血の妖怪”ってことか」
八戒「ええ。爾燕は本妻のお子さんだそうですが、悟浄が本妻に殺されかけた所を救ってくれたとか普通の子供なら殺されることなんてなかったんでしょうけど、悟空達も知っているように悟浄は妖怪の父親と『人間』の愛人との間に産まれた混血児ーーいわば禁忌の子供ですからね」
「…(だからあの時、悟浄から髪と目の色について質問された理由はそんなに、辛い過去だったんだ…)」
八戒から悟浄の過去に聞いたはこの前同室した時、悟浄からと葵に髪と目の色について質問された理由が分かったは悲しそうな表情を浮かべる。
「(そっか、悟浄は赤い髪と赤い目のせいでひどい目が遭って、辛かったんだね…)」
そんな思うは物憂げそうな表情を浮かべる。その頃、旬麗にいる部屋では茲燕について話している。