第5章 悟浄の過去と覚悟
あの子はーー旬麗は恋人がいつでも帰って来られるように淋しさを紛らわすようにいつもああやって洗濯している。
半「その大事な服をアンタ達に貸したのも『笑ったお詫び』じゃあなくて笑顔を与えてくれたお礼なんだろうよ」
「「……」」
と葵は三蔵たちが着ている服を見ると物憂げそうな表情を浮かべる。
半「アタシ達はね『茲燕』が生きていることを願うばかりだよ…」
『茲燕』という言葉に悟浄と八戒は反応する。
悟浄「『ジエン』…⁉︎その男『茲燕』ってのか⁉︎」
「?悟浄…?」
半「ああ、そうだよ。いなくなる四年程前にこの村に来たからね。本名かどうかは知らないけど…何だ、知り合いかい?」
悟浄「ーーいや、どうだろうな…」
「「……?」」
何かを考える悟浄を見て三蔵と悟空はハテナマークを浮かべるが事情を知っている八戒は小さくため息を吐く。と葵は悟浄をじっと見つめる。
ーー夕方
「ーー旬麗さん!乾いてたなら着替えてもいいですか⁉︎」
旬麗「えーもったいないですよ」
「楽しんでますか⁉︎こんな服をこれから着たら恥ずかしいですよ‼︎だから、着替えてきますね‼︎洗濯ありがとうございました‼︎」ダッ!
旬麗「ああ…本当にもったいない。似合ってるのにー」
「…はまだ慣れていないだから」
旬麗「あらまあ、ふふ…可愛い人」
乾いていた服を返してから急いで部屋へ着替えに行くを見て葵はため息を吐き、旬麗は小さく笑う。
ガチャ
悟空「ーーあれ、悟浄は?」
三蔵「さあ?便所じゃないか」
悟空「げ、なにこれ」
借りた部屋の中にはベッド一つが備えたが床には布団三枚が敷いていた。
三蔵「あのオバサンがどうしても一晩泊まってけって。修学旅行じゃねえっつーの」
悟空「あはは…ぎっしり;;」
八戒「ま、お世話になったことですし。お言葉を甘えましょう」
悟空「…なー八戒。いい加減教えてよ」
ベッドの上に本を読んでいる八戒の隣に座る悟空はそう言うと八戒は分かってたのか逃げるようにベッドから立ち上がる。
八戒「僕もおトイレお借りしますか」
三蔵「本持ってか?」
悟空「ばっくれんなよッ、悟浄の事知ってんのは一緒に暮らしてたお前だけじゃん」