第5章 悟浄の過去と覚悟
「くすくす、くす」
背後から小さく笑う女性の声を聞こえ、振り向くと川岸の上に女性が立っている。
「あ…ごめんなさい。あんまり楽しそうだからつい……」
そう言いながら目元の涙を拭く女性ーー旬麗が小さく笑いながら謝る。
三蔵「俺とをこいつらと一緒にしないでくれ」
八戒「もしかして洗濯にいらしたんですか?」
「えっ、そうなんですか?すみません、水を汚しちゃって」
「全部悟空と悟浄のせいだけどね」
悟浄「悪かったって!…それよりどーすんだよ、替えの服までずぶ濡れじゃんか」
「あ…私たちの服まで濡れちゃった」
旬麗「ーーあ、服を乾かすならウチの村まで来ませんか?笑っちゃったお詫びに熱いお茶でも」
旬麗のお誘いを受けた三蔵たちは旬麗が住んでいる村へ行く事にした。
旬麗「私の名前は旬麗と言います。えっと…」
「あ、です。こっちは相棒の…」
「葵だよ!よろしくね!」
旬麗「まあ…喋る猫なんて初めて見ました」
「…怖くないの?」
旬麗「ふふ、いえ。怖くないですよ、猫と話せるなんてすごい体験になると思いますよ」
「…良かったね、葵」
「うん…!」
旬麗「ふふっ、はいさんはこの服を着て下さい。きっと似合いますよ!」
「ありがとうございま……え?」
三蔵たちが替えの服を着ている間に旬麗とそう会話してから渡された服を広げるとは思わず見開いてしまう。そんなを見た旬麗はニコニコと微笑みながら隣の部屋へ押し込む。
旬麗「はい、カゼが引く前早く着替えた方がいいですよ」ぐいぐい
「ま、待って…旬麗さん、他の服を変える事は…」
旬麗「ダメですよ♡はい、入っちゃって下さい!」
「ちょ、ちょっと…」
バタン…
「……;;」
旬麗「さあ、葵くん。身体を拭きましょうね」
「あ、ありがとう…(後で面倒な事になるな…)」
旬麗から渡された服を見た葵はこの後の想像をしたのか小さく息を吐く。
「………(本当に、着るの…?)」
部屋の中にいるは未だ広げた服を見ながら小さく唸ると覚悟を決めたのか着替え始めるのだった。