第3章 桜の騎士と紅と緑
「ねえねえ、決められないならこれで決まった方が早いよ?」
八戒「!…くじ引きってことですね?」
悟浄「へえ、そういう考えもあるとはねー」
三蔵「話し合うよりこっちの方が早いな」
「…こっちの苦労が分かってくれると助かるよ」
ため息を吐く葵はそれぞれの割れた割り箸の一番下に二人部屋と三人部屋の『2』と『3』を書いた。
「はい、ボクはと一緒いるからね」
悟空「よしっ、準備はいいか⁉︎」
「これでいいのかな…?」
葵が持っている五本のくじをそれぞれ摘んで、一気に引き出した。
「ボクたちの部屋はどっち?」
「…『3』だね」
悟浄「…よっしゃ!俺もだぜ!」
八戒「おや、奇遇ですね。今日はよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いしますー」
三蔵「…チッ」
悟空「なんで俺を見て舌打ちするんだよ?」
三蔵「寝相が悪いからだ」
悟空「それは悪かったって!葵、次は一緒に寝よな!」
「うん、明日ね」
葵が作ったくじ引きによって決めた一行はそれぞれの部屋で過ごす事にした。ちなみに三蔵はと同室ならずに不機嫌だが、葵はこのような事があったら使おうとそう決めたのだった。
「あーーっ、宿のベッドふかふかだなー」
「キュー」
八戒「…本当に今まで泊まったことのないんですね」
「そうだね、色々あったからねー」
悟浄「…ちゃんと葵は辛かった事がたくさんあった?」
「…それはもう、」
「数え切れないほどたくさんあったよ。忘れないほどにね」
「「…」」
ベッドの上を座って物憂げそうな表情を浮かべると葵に椅子を座っている八戒と悟浄は何も言わない。
「…それは置いて、悟浄さんはどうして私の事『ちゃん』付けするんですか?」
悟浄「…どうしてだろうな、ちゃんが可愛いから付けたくなるかな?」
「え、あ…可愛くなんかないよ…///」
「…のそういう所が自信がないんだからねー」
八戒「ふふ、そういう所が可愛いですね」
「っ、もう…!子供じゃないんだからちゃん付けはやめて下さいよ」
悟浄「くくっ…はいはい」
悟浄は小さく笑うとイスから立ち上がるとの隣をいきなり座る。
八戒「!」
「え、あの…////」
「あーー…」