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三蔵一行の女騎士《最遊記》

第2章 出会い


布を張り終えた後、が沸かしてくれたお風呂をそれぞれ済ませると先に寝てる人とまだ起きている人がいる。

「ふふ、悟空くんと一緒に寝てて良かったね」

「「ぐがーーーっ…」」

ある一部屋の中に先に寝ている悟空と葵の寝姿を見て微笑むとそっと閉めてからまだ起きている三蔵たちの所へ戻る。

「三人も先に寝てていいですよ、私はまだ準備が残っているので」

悟浄「まーた、敬語が使ってるよ。まるで八戒と似てるぜ」

八戒「それはどういう意味ですか、悟浄?」

悟浄「…なんでもねー」

「あ…ごめんなさい。初めて会う人に対して敬語を使うときがあるん…だよ」

三蔵「…ゆっくりで慣れろ。あと、さん付けも外してろよ」

「うー…うん、がんば、るね」

敬語なしで頑張って話す彼女を見て三人は可愛いと思って小さく悶えた。

「あの、時間があったら皆のお話を聞いていい…かな?」

八戒「ふふ、もちろんですよ」

悟浄「…ちゃんにとって話したくない話だけどな」

三蔵「俺たちに過去の事を話してくれたならきっと分かり合えるだろう」

「ふふ、どんな話でも話してくれると嬉しいよ」

微笑む彼女につられ三蔵たちも小さく笑う。色々な話したい事があるが、旅の途中で自然と話すだろう。あれから三蔵たちも用意してくれた布団で横になる。は音を出さず家から抜けると夜空を見上げる。

「…不思議な人たちだな、今までの人たちとは違う。でも…嬉しかった」

そう小さく笑って呟くとじっと月を見上げると…


「『今度こそ…絶対に皆を守り抜く』」


一瞬だが、とは違う声が出ている。覚悟を決める声色に。

「ーー?…気のせいかな?…そろそろ早く寝よ」

そう言うは月に背を向いて家へ静かに戻る。
…静かになった林の中から人影が家の方向を見ている。

『…金蟬、捲簾、天蓬…哪吒。あなた達の魂が継がれている者たちが現れたよ。…私の魂も、ね』

水色の瞳を持つ影が、哀しそうに微笑む。

『ーー…下界の桜の下で会おうと、そう約束してくれたよね。今の私たちなら、きっと果たせるよね…』


ーー500年前の約束を果たせるまで、私たちで見守ろう。


ザアアァッーー…

ーー『舞』…

『うん…私もすぐ行くよ』

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