第8章 ダチュラ/沖矢※
沖「いいでしょう」
そう言うと強く体を引っ張られて
乱暴にベッドへ投げ出された
沖「少々、そこで
大人しくしていて下さいね」
と、付け足すと
沖矢さんは机の引き出しを開けた
中から妖しい小瓶を取り出し
それを持って私に近づく
小瓶の中身は
何か液体みたいなモノが
入っている
沖矢さんはその蓋を開けると
空いてる手で私の顎を
ぐっと掴んできた
沖「さぁ、これを飲んで下さい」
『いやっ…!』
私は手で口元を隠した
沖「抵抗しますか……
抵抗すれば痛い目に合いますよ?」
顎を掴んでいた手が
首へ滑りそこをくっと掴んだ
沖「ああ…この細い首を
折ってしまうかも知れませんね…」
私は殺されてしまうかも知れない
『っ……やめて…
飲むから…お願い…』
私は小瓶を受け取り
自らそれを飲んだ
沖「良い子です…
安心して下さい
体に害を及ぼすものじゃありません
少し…気持ちが良くなる薬です」
そのまま沖矢さんの体が
覆い被さる形でベッドに
押し倒され顔が近付く
『いやですっ…沖矢さんっ…
もう、こんな事…やめて下さい…』
必死に両手で
沖矢さんの体を押して
抵抗した
沖「手が邪魔ですね…
折られるのと…切り落とされるの
どちらがいいですか?」
『ひっ……』
普段伏せられている瞳が
開かれていて恐怖が増した
沖「大丈夫ですよ
手が使い物にならなくなっても
私が生活の面倒を見ますから」
『あ…あ…ごめんなさい…
抵抗…しませんから……』
体にもう
力なんて入らなくなっていた
沖「そうです、良い子です
良い子にはご褒美をあげないと
いけませんね」
おでこに優しいキスを落とされる
目に溜まっていた涙は
いつの間にか溢れ出していた
沖「泣かないで…
ほら、笑って下さい」
笑わないと…
笑わないと殺されるかもしれない
私は世界一下手な
笑みを顔に浮かべただろう
沖「可愛いです…」
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