• テキストサイズ

【R18】Zeus【コナン短編集】

第8章 ダチュラ/沖矢※




私は一歩後退った


後ろにはパソコンが置かれた机が
あって逃げ場が無いことを
思い知らされた


沖「そんなに怯えないで下さい…」


間近に迫る沖矢さん


すっと伸ばされた手が
私の頬に添えられ
ぎゅっと目を瞑った


沖「好きなんです…
どうしようも無い程…貴女の事が…
ああ…こんなに震えて…
大丈夫です…何も怖く無いですよ」


低く囁かれる声。


小刻みに震える体に
精一杯の力を込めて
頬に添えられている沖矢さんの手を
払い退けた


目に涙を溜めながら
沖矢さんを見上げた


沖「………もう、
貴女は私のモノだ…」


沖矢さんは妖しい笑みを
その顔に浮かばせる


背筋がゾッとした


沖「あの時も…本当は
手を出すつもりなんて無かったんです
帰りが遅い貴女が心配で
ただ守っているだけで良かったのに…
つい、思考とは別に
体が動いてしまって…」


『あ…の時って…』


沖「気を失いここに来た時の事ですよ
あれをやったのは私です
怖い思いをさせてしまって
申し訳ありません…」


だめだ…この人は危険だ


脳に警告音が鳴り響いている…
早くここから逃げないといけない


再び沖矢さんの手が伸びてくる


『…いやっ…!』


私は咄嗟に沖矢さんの体を
渾身の力を込めて押した


だが直ぐに手首を掴まれた


沖「…悪い子ですね」


『離してくださいっ…!』


痛い程の力を込められ
抵抗出来なくなる


沖「貴女も言ってくれたじゃないですか
私の事が好きだと…
…あれは嘘だったんですか?」


確かに沖矢さんの事は好きだけど
そうじゃない…


『私が好きになった沖矢さんは
優しい沖矢さんです!』


沖「本性まで
愛してはくれないんですか…?」


『……愛せません…っ!』




.
/ 112ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp