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【R18】Zeus【コナン短編集】

第8章 ダチュラ/沖矢※




沖矢さんを見送った後
お礼のメッセージでも
送っておこうとスマホを
手にした時に気付いた


私、沖矢さんの連絡先知らない…


連絡を交換した記憶は
全くなかったのだ


1番大事な事なのに…っと
電話帳画面をスクロールしていると
"沖矢昴"と表示された文字を
見つけて体が固まった


『……え…?なんで…?』


その文字を押すと
携帯番号が登録されていた


いつの間に交換したんだろうか…


いくら記憶を辿っても
沖矢さんと連絡先を交換した記憶は
全く無くて


得体の知れない恐怖が
一瞬私を襲ったけれど
ただの記憶違いだろうと
この時私はそう思った













ーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから仕事が遅くなって
駅まで沖矢さんが迎えに来てくれて
家まで送ってくれると言う
毎日を繰り返していた


以前より沖矢さんとの距離が
縮んでいたのは確かだ


今日も仕事が遅くなって
駅に着く前に沖矢さんに
連絡を入れようと
スマホを手に取ったが
画面が真っ暗なまま
待ち受け画面が開かない


バッテリーが切れていた


どうしようと思いつつも
連絡の取り用が無いので
諦めることにした


しばらくの間
ずっと沖矢さんが車で送ってくれていたし
ストーカーも
諦めたんじゃないかと油断していた


最寄り駅を出て
とぼとぼと歩き始める


駅から離れていくと
段々人気も少なくなってきて…


以前の出来事をぼんやりと
思い出してしまった


その時、また嫌な視線を感じて
バッと後ろを振り向いたが
誰も居なかった


怖い…


私は少し早足になり
家を目指した


よく耳を済ませてみると
自分のものとは別の
足音が聞こえて来る…


私は思わず駆け出した


だが、その足跡も
追って来ているようで


漸く、脳が自分の危機を感じ取った




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