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【R18】Zeus【コナン短編集】

第6章 11月7日/松田※




松「転属初日に遅刻かぁ。
これは怒られるなぁー」


松田先輩はテレビの朝のニュースを
眺めながらどうでも良さげに呟いた


『ごめんなさい、私の所為で…』


松「気にすんな。
可愛い後輩の為だ、
それに珍しい顔も拝めたからな」


そう言い、いつもの様に
頭の上にぽん、と手のひらが置かれた


恥ずかしさと嬉しさが入り混じり
私は俯き、膝の上で両手で持っていた
マグカップを眺めた


ドキドキと心臓が加速する


松「顔、赤いけど
熱でもあるんじゃねぇのか?」


そう言い、
松田先輩は後頭部を抑えながら
反対側の手を私の額に添えた


松「熱は無いな…」


私はマグカップを
テーブルの上に置いた


『……松田先輩の所為です…』


松「は?何で俺の所為なんだよ」


『…好きです』


思わず口に零してしまった言葉に
後悔した


肩が当たる程の距離にいる
先輩の体を慌てて押した


『…いや、何でもないです!
忘れて下さい!』


慌てて言葉を重ねたが
時すでに遅し。


松「本気で言ってんのか?」


『本気で忘れて下さい!』


松「その前の言葉だ。
本気で言ってんのか?」


両手首を掴まれて
逃げ出したくても
逃げられなくなってしまった


私はこの状況を諦めた


『…本気で…好き、なんです…
だから、松田先輩が死ぬ夢を見て
怖くて…あんなにも取り乱してしまって…
ごめんなさい…迷惑ですよね』


松「ばーか。
…一週間待ってくれるか?」


その言葉の意味を理解した瞬間
ぎゅっと詰まっていたものが
ふわっと解き放たれた感じがした


直ぐに振られるかと思っていた。


だから少しでも希望があるんだと
もしかしたら…と、
淡い期待を胸に抱いてしまった。


頭を縦に振り返事をする


不意に掴まれていた
手首をじっと眺められる


松「これは何だ?」


指を指された左手首の内側には
99と書かれた数字が。


冷や汗が流れた


あれはあの嫌な夢で見た100の数字


いや、そもそも夢なんかじゃ…


だって夢なら…


私のこの一週間はなんだったの…






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