第5章 Blood/赤井※
しかし、そう思ったのも束の間
段々と頭がぼーっとしてくる
その時だった
ジ「やっと見つけたぜ?」
首筋から唇が離れる
だが、体が動かなくて
霞んだ視界から銀髪の男が見えた
徐々に意識が遠退く
そう言えば、私
さっき献血に行ったばかりだ…
私はそのまま意識を手放した
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ぼーっとした頭が
スッと覚醒する
何があったのか思い出した瞬間
体をガバッと起こした
『…っ…!』
勢いよく起こしたのが悪かったのか
目眩を起こした
赤「こら、寝てないとダメだろう」
『あっ…吸血鬼のお兄さん…!』
彼は私の両肩をゆっくり押すと
再びベッドに寝かされた
赤「君は今、軽い貧血の状態だ
だから大人しく寝ていなさい」
『はい…』
周りを見渡して気付いたが
どうやら此処は自分の家じゃないらしい
という事は、彼の家だろうか…
それにしても
今は何時で、私はどれくらい
眠っていたのか…
ベッドの真横にある
窓には遮光カーテンが引かれていて
外の様子が分からない
赤「色々、質問があるだろう
そうだな…まず、俺の名前は赤井秀一だ」
『あ、赤井秀一…
私は苗字名前です』
赤「よろしくな
昨夜、君があそこにいなければ
俺は死んでいたかもしれない
君は命の恩人だ…」
そう言いながらベッドに腰掛け
私の頭を撫でてくる
赤井さんの瞳を見れば
あの赤い色ではなく
オリーブがかった緑色をしていた
『…目の色が違う…』
赤「ああ、今は正常だろう
赤くなるのは吸血衝動に駆られた時だけだ」
なるほど…
『…あの、私あれから
何時間眠っていたんですか?』
赤「12時間程だ。
君の血液を飲んでから直ぐに
傷口は塞がり、奴から逃げ切る事が出来た。
この家は奴も知らないから安心しろ」
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