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【R18】Zeus【コナン短編集】

第5章 Blood/赤井※




近くに人が居る…
助けを呼ばないと…!


そう思い、立ち上がろうとしたが
再び腕を掴まれた


赤「奴に見つかればお前も殺される
早くここから逃げろ」


何のことだか
言ってる事がさっぱり分からないけど
この人を置いて行くわけないはいかない


私は泣きそうになりながら
首を横に振った


こんな、死にかけの人を
置いてここから離れるなんて
私には出来ない


赤「言うことを聞け」


『出来ません…!』


そうこうしているうちに
足音はどんどん近付いてくる


彼の顔を見れば
唇の隙間からチラリと見える鋭い牙


人間じゃ…ない…?


真っ赤な瞳は私を捉えた


するりと伸びてくる手は
私の顎を掴むとクイっと上に上がる


赤「俺は吸血鬼だ…」


吸血鬼…だなんて…


信じきれない気持ちもあるが
目の前にいる彼の見た目が
それを思わせる


赤「…俺を追って来ている奴らも
吸血鬼だ…このままでは俺もお前も
奴らに消される」


小さく囁かれる声は
冷静に物事を捉えている様で


私の頭は何故だかスッキリしていて
彼の言葉を理解する事は出来た


『…どうすれば…
私達は助かるんですか…?』


赤「……君の血を貰えれば
この傷も直ぐに癒え、この場から
脱する事が出来るだろう」


私の血を…


彼の目を見れば
嘘を付いている様には見えなくて


私は着ていたブラウスのボタンを
上から3つ程外した


『…話は分かりました…
私の血で助かるなら…』


彼は驚いた表情を見せた


赤「…とんでもないお嬢さんだ」


そう言いながら首筋に
彼の唇が近付く


赤「最初は痛むだろうが
直ぐに良くなる…」


そう言われた後、すぐに
首筋に鈍い痛みが走る


『…んっ…っ…!』


痛みで涙が溢れて来て
必死に彼の体にしがみ付いた


このまま血を全部飲み干されて
死んじゃうかもしれない…


今更になってそんな事を思った


痛みは徐々に柔らぎ、噛まれた所から
じわじわと熱が全身に回る


『…ぁっ…んっ…ぁあっ…』


"最初は痛むだろうが直ぐに良くなる"
彼の言った言葉を理解する


何これ…気持ちいい…。




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