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【R18】Zeus【コナン短編集】

第3章 獣化注意報〜赤井の場合〜※




赤「ちゃんと溺れない様に
支えてやっただろう?」


『そう言う問題じゃにゃい』


その時、ヴーヴーとバイブ音が鳴る
どうやら赤井さんのスマホに
着信が入った様で
私の頭を撫でた後、立ち上がって
部屋を出て行った


仕事の電話かにゃ…?


しばらくすると、戻って来て
赤井さんは口を開く


赤「すまない、急な仕事で
今から出ないといけない」


『わかった』


赤「1人で留守番できるか?」


『できるよ、
子供じゃにゃいんだから』


赤「夜には帰ってくるからな。
後は…外出は駄目だぞ
呼び鈴が鳴っても外に出るなよ?
何かあったら連絡をくれ」


『はいはい、分かったから
行ってらっしゃい』


赤「ああ、行ってくる」


赤井さんは私の頭に
キスを落とすと
いい子でな、と一言いい
家を出て行った


獣化してから
急に距離が縮まった気がする


動物が好きなのか
それとも子供が好きなのか
或いは両方…


ぽかぽかと暖かい陽が差し込む
窓辺で再びフローリングに
ごろんと寝転がった


何が発症の原因なのか
ぼんやりと考え始める


何かしたのか…
何か食べてしまったのか…


頭を捻るのに疲れてきた頃
私はうとうと、と眠りに誘われた


夢の中で彼に会った


忘れる事が出来ない
特徴的な銀色の髪を靡かせた男


私が壊れる度に
慰めて抱いてくれた男


私を殺した男……ジン。


夢なのか現実なのか
分からない境目で私は
ある事に気付く


獣化を発症したのは
"何かをして"では無く
"しなかった"から発症したんだ


その瞬間、身体の奥の方が熱くなる


夢から現実へと引き戻す
その熱に身体を抱え込んだ


『…ぁっ……ぁあ…』


壊れてしまわない様に
細い糸で繋がれた理性を
必死に守った


『…ぁ…いたい…ジンに…
…かえりたい…ほしい…くるしい…』


身体の中の熱が暴走しそうで
苦しさに涙が溢れて落ちていく


フラフラと立ち上がり
玄関へ歩み寄る。
扉を開ければ外はすっかり
暗くなっていた


『…はぁ…はぁ…帰らにゃくちゃ…』



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