第3章 獣化注意報〜赤井の場合〜※
その時後ろに気配を感じて
振り返ると赤井さんが立っていた
赤「風呂に入らないのか?」
『入る…けど…水がこわい』
赤「ふっ…猫か。
いや、猫だったな…」
『うるさい、てゆうか
堂々と私の裸を見るんじゃにゃい』
赤「ホォー…尻尾は
こんな風に生えているのか…」
人の話を全く無視して
私の体をマジマジ見ると
急に尻尾を掴んでくる
『あっ…』
体がビクッと反応してしまった
『尻尾掴むにゃっ』
私は尻尾を引っ張って
体の前に持ってきて
精一杯のガードをした
赤「風呂、一緒に入ってやろうか?」
『ひ、ひとりで入れるもん』
赤「そう無理するな」
そう言いながら赤井さんは
服を脱ぎ捨てた
『脱ぐにゃ!』
赤井さんは腰にバスタオルを巻くと
私の体を正面から抱き上げた
ジタバタと暴れたが
しっかりと支えられて
いざ浴室へ
バスチェアに赤井さんが座って
そのまま膝の上に乗せられる
シャワーのお湯を出すと
いよいよ体が震えた
『やだやだやだ!』
赤「こら、暴れるんじゃない」
ぐっと後頭部を抑えられて
胸板に顔を押し付けられる
赤「大丈夫だ」
背中からお湯をかけられて
赤井さんにしがみ付いた
目を瞑ってしがみ付いている間に
テキパキと髪と体を洗ってくれる
洗い終わると再び体を抱き上げられて
次は湯船へ
『やだっ…もう出る!』
赤「溺れない様に
しっかり捕まってるんだぞ」
言っても聞いてくれなくて
私は再び赤井さんにしがみ付いた
ザパァンと湯船に浸かる赤井さん。
私は体をビクつかせながら
ただ必死にしがみ付くしかなかった
赤「完全に猫だな…」
赤井さんは私の頭を撫でながら
ぼそっと呟いた
『赤井さんっ!もう上がるの!』
赤「こら、ちゃんと
あったまらないと駄目だぞ」
『もうやだー!』
そんなこんなで
忘れもしないお風呂事件が
出来上がったのだ
.