第10章 俺の上司は運命の番/赤井※執筆中
赤「ほら、コーヒー」
と、頬にペタッと当てられて
ひんやりとした缶コーヒーを渡される
少し休憩しようかと
デスクから離れソファに座り直すと
赤井君は当たり前の様に隣に座る
カシュッと音を立てながら
缶コーヒーの口を開けた
赤「それで、悩み事は何かな?」
ソファの背に凭れる私を
横から覗き込む様に私を見つめる
『…部下達の事よ』
と、赤井君の事は置いといて
少し目を逸らしながら呟いた
赤「ホォー…俺はてっきり
俺の事で悩んでくれているのかと
思っていたんだが」
私の事を見透かす彼に
ドキドキと鼓動が早くなる
誤魔化しても無駄だと
私は背筋を伸ばし
彼に向き合い瞳を見つめた
彼の視線は熱くて
吸い込まれそうになる
一呼吸置いて口を開く
『赤井君の事も考えていたわよ』
赤井君の指先がこちらに伸びて来る
スーっとフェイスラインを撫でられ
顎を掴まれた
彼は目を細めて
ふっと笑った
赤「キスしたい」
『し、仕事中よ……んんっ』
私の制止の声を無視して
無理矢理唇を奪ってくる
離れようと胸板を押したが
逆に体重を掛けられ
そのままソファに押し倒される形に。
彼のこういう強引な所は
嫌いじゃない…
嫌いじゃない…?
なら、好きなのか?
彼の事が…?
心の小さな隙間に生まれた
感情をどう処理すればいいのか
分からなくなる
また彼のペースに飲み込まれて
私は溺れてしまうのか
思わず呼吸を忘れてしまう
口内を掻き回す舌は
荒々しくて、苦しくて
それでも気持ち良くて
思考回路が働きを忘れる
漸く唇が離れた時には
脳みそはぼーっとしていて
微かに匂う
彼のαの香りが鼻腔をくすぐった
赤「今日、うちに来ないか?」
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