第10章 俺の上司は運命の番/赤井※執筆中
彼女は戸惑いながらも
俺の手に合わせて
手を動かしてくれた
空いてる手を後頭部に回し
顔を引き寄せ唇を奪う
興奮が収まらない
貪るように
繰り返しキスをする
粘ついた唾液が絡まり合う
彼女は俺の指示通り
手を上下に動かして
自身に刺激を送ってくれる
ゾクゾクと込み上げる刺激に
止まらない興奮
彼女の口内を荒らしながら
溜まった欲を外へ放出した
彼女の頭を抑えていた手を離し
汚れた箇所をティッシュで拭う
赤「すまない」
そういうと彼女は
自ら俺の胸に顔を埋めて来て
『…赤井君が言ったこと…
運命の番のこと…信じるわ』
そう言った
彼女が認めてくれた事は
大きな進歩だ
だが、すぐに
首を差し出してくれる訳でもなく
真面目な彼女は
将来の事をじっくり考えていた
ヒート期間の一週間は
あっという間に過ぎ
番にするチャンスは
次のヒートが来る三ヶ月後まで
お預けになる
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【夢主side】
私は今、人生最大の悩みを
抱えてるのかもしれない
確かに彼、赤井君の言う事は
正しかった
あの夜、彼の匂いを嗅いで
体が、脳が、本能が
彼の全てを求めた
こんな事は生まれて初めての経験で
後々冷静になり困惑したが
ヒート期間中は
彼の事で頭がいっぱいだった
…運命の番
それを信じてしまう
番にさえなってしまえば
身体は楽になるだろう
でも、私には
仕事があるし、
そんな色事にかまけている場合じゃない
現に、私の部下達は
αと信じて疑わなかったのに
一部の人間の間でΩだと噂までされている
それは赤井君に今まで
飲んでいた抑制剤を
もっと効果の低い物へ変えるべきだと
提案され、その通りにしたせいだ
鼻が良い者には分かるのだろう
部下達はどう思っているのだろうか
もし私がΩだと公言すれば
私について来る者はいるだろうか
執務室で長い溜息を吐いた
赤「頭を抱えてどうした?」
私の悩みの原因の一つが
溜息を吐いたと同時に
執務室へ入ってくる
.