第1章 坂田銀時 やっぱり敵わない
「お邪魔します。」
万屋には何度か来たことがあるが、銀さんと二人だけなのは初めてで少しドキドキする。
私はいつも通りソファーに腰かけ、銀さんは買い物してきたものを片付けに台所に行った。
「静かな万屋って初めて。」
「本当はこう言う静かな暮らしをしたいのよ、俺も。それが気がついたら賑やかになっちまって。」
そう言いつつ、銀さんの声は優しかった。なんだかんだで、たくさんの人に囲まれている今の生活も気に入っているんだろうな。
「ね、もしかして、一人で寂しかったから私を呼んだの?」
私はからかい半分で銀さんに尋ねた。銀さんは買い物袋から商品を出していた手を止め、私の方を振り返る。
その顔は私が思っていたよりも真剣な表情をしていた。
「せっかく一人で過ごせる休日に、好きでもねぇ奴と過ごしたいと思わねぇよ。」
「え?」