第1章 坂田銀時 やっぱり敵わない
「銀時。そんなにいい仕事が入ったなら、まず溜まっている家賃を払うのが筋ってもんじゃないのかい?」
「げっ。」
「お登勢さん!」
声の主はお登勢さんだった。お登勢さんは銀さんをひと睨みし、今度は私の方を見た。
「、今日はもう仕事上がりな。昨日忙しくて休憩できなかったろ?」
「でも、明日も休みですし…。」
「良いんだよ、後のことは私らでやっておくから。せっかくの連休だろ?若いうちはしっかり楽しみな。」
そう言うと、お登勢さんは私から箒を奪い、私の荷物を店の外に置く。
それから、意味深な笑みを浮かべてこっちを見たあと店の中に入ってしまった。
もしかして、お登勢さんに今の話聞かれてた?
残された私と銀さんの間に沈黙が続く。
「さて、と。ババアの許可ももらったことだし、行くとするか。」
銀さんは私の荷物をもって、万屋への階段を上っていく。
こうなったらもう、素直にお邪魔させてもらおう。
私も銀さんに続いて階段を上った。