第12章 出向
「お前らよくやってくれたな」
死柄木はそう言って、僕の頭を撫でてくれた。だけど、なんか嬉しくない!
「さすが、次期オールフォーワン。あの極道を潰すとは」
ステインも大袈裟に褒めてくれる。
いやぁ、そんなに過大評価されても……。
でも、僕があの人のサイドキックになっていたら、どうなっていたのだろうか。
「テメェ、まだあの選択に悩んでんのか?」
かっちゃんがそう聞いてきた。
「いやぁ、こんな世界になったからこそ、この世界を楽しく生きたいと思う。敵連合に終末を迎えれば、玲奈の力でどうにかなるからさ」
『うん。私もあまりヴィランは好きじゃなかったけど、こうなったら私も精一杯協力させてもらうよ』
「ありがとう、玲奈」
僕が頭を撫でると、玲奈は幸せそうに微笑んだ。
「今日は久しぶりに会えたから、ヤっていい?」
『あっ……うん、いいよ』
僕の要望に、玲奈は顔を真っ赤にして頷いた。