第12章 出向
焦凍が左手で炎を出し、オーバーホールを焼かせる。そして、かっちゃんは飛び込んで行き、意識朦朧とする彼に一撃を与えた。
「クソっ……ふざけるな……!」
オーバーホールはかなりお怒りのようだ。
「君がいけないんでしょ?子供を散々苦しめておいて、個性を使わない世の中にするって言っておいて、個性を使いまくってるのがおかしいんだよ」
僕は火傷だらけになったオーバーホールを殴った。
本当にコイツは最低な人間だ。エリちゃんにはこれから幸せな日々を送ってもらう。
「焦凍、凍らせておいて。あとはヒーロー達が確保するのを待つから」
僕の指示通り、焦凍はオーバーホールを凍らせた。
「ルミリオン!なっ、敵連合!?」
「どうやら、応援が来たみたいだね」
ナイトアイが僕らを見て、唖然としている。
「行方不明者三人組……。緑谷君、君はすごいよ。オールマイトの未来で出てくるはずだったのに、君は未来を大きくねじ曲げ、真逆の方向に進んでしまっている……」
ナイトアイが祈るように手を伸ばした。
「私はそんな君がすごいと思う。今戻ってきても、君達は何の罪に問われない。私が、君達をサイドキックに入れて、育成してもいい。もうヴィランなんてやめて、戻って来ないか?」