第12章 出向
「……いやぁ、大胆に行ってみるのもいいかもしれない」
僕がそう言うと、先を歩いていた二人が振り返る。
「正直言って、あのヒーロー達じゃ勝てないよ。未来をねじ曲げられる僕らなら簡単に倒せるでしょ?」
僕が居ないと、ヒーロー達に勝利の道がない。ルミリオンという先輩が僕が来るまでにオーバーホールと一騎討ちになるはず。そして、彼は個性を失ってしまう。
「じゃあ、カッコ良く登場すっか」
かっちゃんの言葉に僕らは頷き、僕は指を鳴らした。瞬間移動により、ルミリオンとオーバーホールが一騎討ちしているところに来た。
「ヒーロー、やっぱり僕が居ないと八穢八斎會は潰せないよね」
僕は不適な笑みを見せ、周りを見渡した。ルミリオンが呆然を僕らを見ている。
「お前ら、まさか……」
オーバーホールは怒りを見せた。僕は吹き出してしまった。
「いやぁ、大人のクセに自分の犯した罪も理解してないなんて、最低だよね。エリちゃんはこちらが大切に保護したよ。子供を苦しめる大人は始末しないとね」
そして、僕は深呼吸をして、真っ黒な翼を生やした。
「かっちゃん、焦凍、行くよ」
「ああ」
「行ってやろうじゃねぇか!」